日本のパスポート写真の規格について
旅券用写真の規格は、渡航等に関する国際機関である国際民間航空機関(ICAO)の勧告に基づいて定められています。
旅券は海外において唯一の身分証明書であり、旅券用写真は本人確認を行う上で非常に重要です。渡航者は、不適当な写真を用いた場合には、出入国の際に不利益を被る可能性があります。
また、渡航先国によっては、入国審査等の際に、顔認証技術を用いて渡航者の本人確認を行うこともあります。
したがって、旅券用写真が上記の国際規格に従うものであることが不可欠です。旅券用写真提出にあたり、以下に記載している事項に従い準備をしてください。
パスポートの適当な写真例
1.申請者(請求者)本人のみが正面を向いて撮影されたもの
2.申請日から6か月以内に撮影されたもの
3.縁なしで右記寸法を満たすもの
(顔の寸法は頭頂から顎まで。縦横比の維持が難しい場合は横幅を優先すること。)
4.無帽であるもの
(申請者(請求者)の申出により、旅券法令に従い、宗教上又は医療上の理由により顔の輪郭が分かる範囲で頭部を布などで覆うことが認められる場合を除く。)
5.背景(影を含む)がないもの
6.輪郭が露出しているもの
7.写真裏面に申請者(請求者)の氏名が記入されたもの
(写真表面に筆跡が浮き出ないこと。)
8.目の周辺が下記条件を満たすもの
目の周辺の条件
目の周辺(右図の四角枠内側)に、髪の毛、マスク、眼鏡、つけまつげ、まつげエクステ等の一部、或いはその陰が入ってこないようにすること。
パスポートの不適当な写真例
不適当な写真を用いて申請が行われた場合には、写真の撮り直しすることとなります。
※背景は無地の淡い色(均一かつグラデーション不可)とし、背景と顔(髪)とのコントラストをはっきりさせること。
また、顔や背景に影が写っていないこと。
※使用するカメラアプリによっては左右反転する場合がありますが、不適当です。
服装・装飾品等
・帽子やヘアバンドなどにより頭部が隠れているもの
・装飾品で目・耳・鼻・唇などが隠れているもの
・カツラ(ウィッグ)などにより実際の容姿や雰囲気が変わるもの
・タートルネック、パーカーのフード、首を覆うもの、衣服などにより顎などの顔の一部が隠れているもの
・顔の輪郭が隠れるもの
・髪が目にかかっているもの
顔の向き、表情等
・傾いているもの
・横を向いているもの
・口角が上がるなどにより実際の容姿と著しく異なるもの
・位置が片寄っているもの
背景
・背景が柄模様であったり、凹凸のあるクロスが写りこんでいるもの
・背景に異物が写りこんでいるもの
・背景の色が濃いもの
・頭、髪、服装等と背景の境界が不明瞭なもの
目
カラーコンタクトや瞳のフチを広げるコンタクトを装着したものやフラッシュなどの影響により瞳が赤く写ったものは不適当です。上記コンタクトを着用の場合、出入国の際、不利益を被る可能性があります。
・カラーコンタクトを装着したもの
・意図的にフラッシュやライトの形状が写り込んだもの
・フラッシュなどにより瞳が赤く写ったもの
眼鏡
より確実な本人確認のため、眼鏡を外した顔写真を推奨します。眼鏡を着用するとき、色付きのレンズや反射・影があるものは不適当です。
また、目を妨げる縁・フレームがないものに限ります。
医療上必要とされない限り、サングラスや処方のない色付きの眼鏡は不適当です。
・色付きの眼鏡やサングラス
・照明が眼鏡に反射したもの
・眼鏡のフレームが目にかかっているもの
影
顔や背景に影が写らないようにしてください。
・顔の影
・背景の影
・つけまつげ、まつげエクステの影
撮影品質
撮影時にピントが合っていなかったり、手ぶれしてしまったため不鮮明なものや、顔にてかりやムラがあるものは不適当です。
・ピンぼけや手ぶれにより不鮮明なもの
・てかりやムラがあるもの
画像加工・画像処理
目を大きく見せたり、美白処理、顔パーツやほくろ、しわなどを修正するなどして、本人のイメージを変えることは、いかなる場合でも不適当です。また、左右反転した写真は不適当です。
・目を大きくしたり、顔のパーツが変形したもの
・変形やマスキングなどの画像処理をほどこしたもの
画像・印刷品質
デジタル画像の過剰な圧縮などが原因となってノイズ(画像の乱れ)が発生しているものや、ジャギー(階段状のギザギザ模様)、印刷時のドット(網状の点)やインクのにじみがあるものは不適当です。写真専用の用紙を使用し、鮮明な画質で印刷してください。
・ノイズ(画像の乱れ)があるもの
・ジャギー(階段状のギザギザ模様)があるもの
・ドット(網状の点)やインクのにじみがあるもの
髪のボリュームが大きい場合
目から顎までの幅と同程度の幅を目から上方髪の方にとり、その部分を頭頂とみなせるよう(右図参照)、サイズを調整ください。
乳幼児の撮影について
補助者の身体の一部が写り込んでいる場合や目を閉じている場合は、不適当です。
顔の向きや動きによる手ぶれにも注意してください。
座れない場合は、無地で淡い色のシーツなどに寝かせて真上から撮影した写真でも問題ありません。
出典:外務省HP