会社が外国人と契約を結ぶ場合、雇用契約にするか、又は業務委託契約若しくは請負契約にするかによって何か変わるでしょうか?
ここでは、業務委託契約、請負契約と雇用契約の違いについてご説明します。
会社が外国人と業務委託契約、請負契約、雇用契約を結ぶ場合、適用される法律に違いがあります。
労働者として雇用する場合
労働者として雇用する場合、労基法、最賃法等の労働関係法令が適用されます。
業務委託、請負等、雇用契約以外の形式の場合、これらは適用されません。
請負とは
このうち、請負とは、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対して、その報酬を支払うことを約する契約(民法632条)をいいます。
業務委託とは
他方、業務委託とは、ある一定の業務の遂行を相手方に委託する契約をいい、法的には、委任契約の性格を有していることが多いです。
労働者性の判断要素
ただし、雇用かどうか、すなわち、労契法、労基法の労働者性があるかは、「使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者」を実態に照らして判断されます。
労働者性の判断要素は次の事情によります。
⑴「使用され」とは
「使用され」とは、指揮命令下の労務の提供をいい、その主な判断要素は、以下の通りです。
主な判断要素
①仕事の依頼への諾否の自由
②業務遂行上の指揮監督
③時間、場所的拘束
④代替性
⑤報酬の算定・支払い方法等があります。
補足的な判断要素
また、以下の通り、補足的な判断要素があります。
①機械・器具の負担
②報酬の額等に現れた事業者性
③専属性等
⑵「賃金」とは
「賃金」とは、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのもの(労基法11条)をいい、金額や計算方法、支払い形態によって判断されたり、給与所得としての源泉徴収の有無、雇用保険、厚生年金、健康保険の保険料徴収の有無によって判断されます。