Q.
私は英国人(永住者)ですが、この度、英国に貸家を購入しました。永住者なので、日本で確定申告が必要ですが、英国でもこの貸家について確定申告し税金を納めなければいけません。
英国で納めた所得税の取扱いについて教えてください。

A.
英国で納めた税金は、外国税額控除を行うか又は不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入するかどちらかを選択することができます。

1 居住者が外国所得税について外国税額控除の適用を受ける場合、その外国所得税は不動産所得、事業所得、山林所得、雑所得、一時所得の金額の計算上、必要経費又は支出した金額に算入することができません(所法46)。

2 外国所得税額について、必要経費若しくは支出した金額に算入するか、又は外国税額控除を適用するかどうかの選択は、年ごとに、その年中に確定した外国所得税の額の全部について行わなければなりません(所基通46-1)。

3 外国所得税額について必要経費に算入できるのは、不動産所得、事業所得、山林所得、一時所得又は雑所得に係る外国所得税に限られ、その他の所得については必要経費という概念がないため、二重課税を調整する方法としては、外国税額控除で行うしかないことになります。

なお、例えば、不動産所得と配当所得に係る外国所得税があった場合、不動産所得の計算上、外国所得税を必要経費に算入した場合は、配当所得に係る外国所得税は、外国税額控除が受けられなくなります(所基通46-1注書)。