Q. 外国人の税額控除について教えてください。

1 配当控除

外国人の方で、外国法人の株式を所有し配当を受け取っている方がいますが、配当控除の対象となるのは、内国法人からの配当だけで、外国法人からの配当は対象になりません(所法92①)。

2 外国税額控除

外国税額控除は各国間で生じる二重課税を排除するための制度で、外国で納付した税額を、国外所得金額に日本の実効税率(所得税、道府県民税、市町村民税)を乗じて算出した控除限度額の範囲内で我が国の税額から控除する制度です。

また、非永住者は課税所得の範囲が、国外源泉所得以外の所得及び国外源泉所得のうち国内において支払われ、又は国外から送金されたものに限定されているので、外国税額控除の適用に当たって国外所得金額とされるものは、国内において支払われ、又は国外から送金された国外源泉所得に係る部分に限られます(所令222③かっこ書)。

なお、国際課税の課税方式が、総合主義から帰属主義に見直されたことに伴い、非居住者の恒久的施設が本店所在地国以外の第三国で稼得した所得についても、恒久的施設帰属所得として日本の所得税の課税対象とされることから、その第三国と日本における二重課税を調整するため、非居住者に係る外国税額控除制度が創設されました(所法165の6)。

この改正は、非居住者が平成29年1月1日以後に行う行為又は計算について適用されます(平26法10改正附則12)。

3 住宅借入金等特別控除

外国人であっても、要件を満たせば住宅借入金等特別控除の適用があります。

また、非居住者であっても、平成28年4月1日以後に住宅の新築・取得又は増改築等を行った場合、現行の居住者が満たすべき要件と同様の要件の下で、住宅借入金等特別控除の適用を受けることができます(措法41~41の3の2、41の19の2~41の19の4)。

なお、確定申告を行う場合、住宅借入金等特別控除を受けるに当たり必要となる添付書類は、居住者の場合と同様です。