日本人が外国人と結婚する場合、婚姻の届出の提出は二つのパターンがあります。
日本で初めて婚姻の届出を提出する場合と、外国で成立した婚姻について日本の市区町村役場に報告する場合です。
1.日本で初めて婚姻の届出を提出する場合
日本で初めて婚姻の届出を提出する場合は、当事者が婚姻の要件を満たしていることを証明しなければなりません。これを「創設的届出」と言います。なお、婚姻届を提出したことによって、婚姻は成立します。
2.外国で成立した婚姻を報告する場合
外国で既に結婚の手続きをした場合、日本の役所に届出を提出するしなければなりません。これを「報告的届出」と言います。この場合、外国での婚姻は既に有効に成立しています。
報告的届出は、婚姻が成立してから3か月以内に提出しなければなりません。第三国で結婚した場合でも同様です。
婚姻の届出が提出されると、市区町村役場では当事者が婚姻の要件を満たしているかについて審査をします。
3.必要書類
日本で結婚する場合の必要書類について「創設的届出」と「報告的届出」に分けてご説明します。
(1)日本で結婚する場合の必要書類-「創設的届出」
①婚姻要件具備証明書(発行日から3か月以内のもの)
「婚姻要件具備証明書」とは、外国人が婚姻する為の要件を満たしていることを証明するもので、一般的に駐日大使館で発行されますが、本国で取得したものでも可能な場合があります。、事前に市区町村役場に確認しましょう。
②婚姻要件具備証明書の日本語訳
③婚姻要件具備証明書で国籍、氏名、生年月日等が確認できない場合
・出生証明書
・出生証明書の日本語訳
・パスポート
・パスポートの日本語訳
④戸籍謄(抄)本1通(日本人の本籍地が届け出る役所以外の市区町村である場合)
⑤婚姻届書
※日本語訳文には、末尾に訳者が署名、押印します。
例
上記は原文の正訳に相違ありません。
訳者の住所 氏名 印
(2)外国で結婚して日本に報告する場合の必要書類
①婚姻証明書の原本(発行日から3か月以内のもの)
②婚姻証明書の日本語訳
③婚姻証明書で国籍、氏名、生年月日等が確認できない場合
④出生証明書
⑤出生証明書の日本語訳
⑥パスポート
⑦パスポートの日本語訳
⑧戸籍謄(抄)本1通(日本人の本籍地が届け出る役所以外の市区町村である場合)
⑨婚姻届書
婚姻届書については、日本人のみの署名、押印だけで証人は不要です。
※日本語訳文には、の末尾に訳者が署名、押印します。
例
上記は原文の正訳に相違ありません。
訳者の住所 氏名 印
(3)婚姻要件具備証明書が提出できない場合
婚姻要件具備証明書に代える書面で代替できる場合があります。
・韓国の場合は、家族関係証明書、基本証明書、婚姻関係証明書等が代替書面になります。
・台湾の場合は、台湾の戸籍謄本、独身証明書が代替書面になります。
・外国人の本国法によって、婚姻要件を満たしていることを証明できる書面で認められる場合があります。
・宣誓供述書(AFFIDAVIT)
婚姻要件具備証明書がないような国の場合、「宣誓供述書(AFFIDAVIT)」で認められる場合があります。
「宣誓供述書」とは、領事等の前でした要件具備の宣誓を書面化したものです。
⑷上記の書類も提出出来ない場合
①その外国人の身分関係の事実を証する書面、及び本国法の条文の写し等で認められる場合があります。
②婚姻要件具備証明書を提出出来ない理由を記載した「申述書」を提出出させる場合があります。
③本国法の法文の写しと、身分証明書、出生証明書、パスポート、訳文を添付して受理する場合もあります。
上記のような場合、市区町村から法務局(地方法務局)に対して、受理伺いをして、法務局の長からの受理するかしないかについて、その指示に従って判断します。