「国際結婚」といっても、法律的にきちんと決まった定義はない

「国際結婚」といっても、法律的にきちんと決まった定義があるわけではなく、一般的には「国籍の異なる者同士の婚姻」ということになっています。

いうまでもなく、「結婚」そのものは本来国籍とはまったく関係なく、両当事者の合意に基づく個人対個人との結びつきです。

たまたま偶然に知り合い、結婚したいと思った相手が国籍の違う外国人の場合は、しかし単なる愛情だけではすみません。

相手の国の文化や習慣を尊重

お互いがどこの国で生活するのか、子どもが生まれた場合はその子の扶養や教育はどこでするのか、また相手側の国で宗教色が強い場合、配偶者や家族にも宗教が強制される場合は家族の将来の生活設計はどうなるのかなど、文化的・宗教的な価値観の相違が夫婦間に色濃く反映されます。

また、自分が相手とどこの国で生活をはじめるのかによって、その国で決められた法律に従わなければならないため、お互い両国の法律の特色なども調べなければなりません。

年々大幅に減少してきているものの、以前から日本に不法滞在している外国人との結婚については、また違う手続きが必要になるでしょう。

このように国と国とのそれぞれの社会制度や法律などが異なるため、通常の日本人同士の結婚とは違い、やはりそれなりの心構えとより深い相互理解がとりわけ必要とされるでしょう。

しかし、このようなさまざまな障碍を乗り越えたカップルであれば愛情も本物でしょうし、お互い自国文化を大事に保存しながら同時に相手国の文化などをも尊重することにより、お互いの理解と尊敬の念もさらに深まっていくのではないでしょうか。

このようにお互いたいへんな苦労と思いやりを強いられるわけですから、夫婦生活は一生かかってお互いの努力で築き上げていくということの本当の「意味合い」が生まれてくるのではないでしょうか。

昨今はだいぶ減ってきたものの、現実には、そこに何らかの金銭のみを追求するような、いわゆる「結婚ブローカー」業者などの暗躍がまだまだ多く散見されることは、残念ながら憂慮すべき事実です。

戦後、日本の高度成長期を通じてその後のわが国のさまざまな社会的変化の変遷につれて、画期的な男女間の教育機会の均等や就労機会の均等を経て、いわゆる「教育制度の男女の平等化」、女性の高学歴化、日本の経済界での労働力の逼迫により、女性達の社会進出に拍車がかかるようになりました。

とくに都会では女性の就労機会が多くなり、男に頼らない「自立した女性」が目立つようになりました。

その反面、とくに農業・林業・漁業といった地方の第一次産業での従事者の高齢化とともに、地域間での男女間居住比率が逆転し、地方に居住する独身女性の希少化、地方で就労者している男性の高齢化が増加し、地方での独身女性の恒常的不足(嫁不足)現象が多く見られたことは記憶に新しいことと思います。

この恒常的「嫁不足」状態を是正すべく、官民一体となった外国籍の独身女性の地方への定着化を図る多くの施策がおこなわれましたが、これに目をつけた多くの民間「結婚ブローカー」などが介入してきたことは既述したとおりです。

しかしこれから国際結婚を考える方々は、国籍を問わず夫婦間でこれから自分達の生活を切り開いていこうとする努力を惜しまない人達だと思いますので、ざわめく周囲の雑音には負けず、お互いの生涯で見つけた良い伴侶として仲良く生活していってもらいたいものです。

そして、たまたま1人の異性を好きになり、結婚を予定されている人が外国人であった場合は、このサイトを参考にされて一歩でも前向きに前進され、正しい方向に向かって歩んでください。

今後は日本もさまざまな多くの社会的統計がすでに警鐘を鳴らしているように、将来の「少子化」や「高齢化」などが原因でますます人口減少時代になっていくことは間違いないでしょう。

そして前ほどではないにせよ、外国人入国者数も長期的に見ればやがて漸減していくものと思われますが、その分すでに年々定着化が進んでいる290万人の外国人(外人登録上の人数)の数は、今後ますます増加していくでしょう。

その意味では、日本人の社会や文化なども、良くも悪くも多方面で外国人に強く影響されるようになってきたということです。

その意味でもこれから国際結婚されるカップルは、日本での社会的トレンドの先端をいく「|パイオニア」の役割を担うことになります。

そして国際結婚、外国人といった概念が持つお互いの文化や価値観の異質性を排除することなく、むしろお互いが尊重・理解することによりそれらを共有・共生できるまで意識を高めることで、より高い次元で日本の「内なる国際化」が進むでしょう。