自転車通勤のメリット

 

自転車通勤をすることにより、従業員には通勤時間の短縮、身体面・精神面の健康増進につながります。
また、企業側には経費の削減、生産性の向上、イメージアップ、雇用の拡大が期待されます。

自転車通勤について

自転車は、環境負荷の低減、災害時における交通機能の維持、健康維持増進、交通の安全確保、渋滞緩和などの公益増進、交通費削減などに資するものとして、その活用推進が求められています。

日本では、平成 29 年 5 月に「自転車活用推進法」が施行され、平成 30 年 6 月に「自転車活用推進計画」が閣議決定されました。

ここでは、企業・団体などが過度な負担なく、円滑かつ適切に自転車通勤制度を導入するメリットや、近年の自転車通勤へのニーズなどの情報を事業者や従業員の視点からご紹介します。

 

事業者のメリット

(1)経費の削減

・通勤手当や固定経費などの削減につながります。

自転車はクルマや公共交通に比べて、通勤にかかる費用が少ないため、通勤手当の削減につながります。

また、クルマから自転車通勤への転換が図られることで、社有車や駐車場の維持にかかる固定経費などの削減につながります。

・自転車通勤推奨により、従業員一人当たりの通勤費削減額は年間約 5.7 万円
・さらに固定経費が年間約 100 万円削減された事例も

自転車通勤を推奨している事業者を対象とした調査より、従業員一人当たりの通勤費削減額※は平均で年間約 5.7 万円という結果が出ています。

また、ある事業者において、通勤のために借り上げていた駐車場代がかからなくなったことにより、年間で約 100 万円もの固定経費が削減されたという事例もあります。

 

経費の削減

(2)生産性の向上

・時間管理や集中力、対人関係、仕事の成果など、生産性の向上が期待されます。

自転車に乗って気分良く通勤している従業員は、自転車通勤をしない従業員に比べ、心身ともに健康的であり、従業員の健康維持・増進に伴う生産性の向上が期待されます。

・自転車通勤によって、仕事の作業などの身体的な活動だけでなく、時間管理力や集中力が向上し、労働生産性がアップ

3か月間の自転車通勤による労働生産性の変化を調査した結果によると、労働生産性を示す指標である「身体活動※2」、「時間管理※3」、「集中力・対人関係※4」、「仕事の成果※5」のすべてにおいて、自転車通勤の実施後の数値が改善し、自転車通勤により労働生産性が向上することが明らかとなっています。

 

(2)生産性の向上

 

身体活動:
業務に必要な動作や作業に対して、健康上の問題が影響を与えている度合い

時間管理:
勤務時間や始業時刻などの時間管理に対して、健康上の問題が影響を与えている度合い

集中力・対人関係:
集中力とは仕事への集中力に対して、健康上の問題が影響を与えている度合い
対人関係とはコミュニケーションに対して、健康上の問題が影響を与えている度合い

仕事の成果:
予定や期待通りに仕事の結果を出すことに対して、健康上の問題が影響を与えている度合い

(3)イメージアップ

・自転車通勤は事業者のイメージアップにつながります。

自転車通勤企業としてのイメージアップがメディアなどへの露出拡大に寄与

(4)雇用の拡大

・従業員の自転車通勤を認めることで雇用範囲が広がり、雇用の拡大につながります。

従業員の通勤手段として自転車通勤を認めることで、雇用の対象などの雇用範囲が広がり、雇用の拡大につながることが期待されます。

 

従業員のメリット

(1)通勤時間の短縮

・自転車は近・中距離での通勤時間の短縮に効果的であり、定時性にも優れています。

自転車は渋滞に関係なく、鉄道の待ち時間や駐車場を探す時間も必要ないことから、一定の距離以内では最も所要時間が短く、定時性に優れていることから、近・中距離での通勤時間の短縮や定時性の確保に効果的です。

自転車は約500mから5km弱の距離において、ほかのどの交通手段よりも所要時間が短い

(1)通勤時間の短縮

(2)身体面の健康増進

・自転車通勤は内臓脂肪を燃やし、体力・筋力の維持・増進に役立ちます。

・さらに、がんや心臓疾患による死亡・発症リスクの軽減が期待されます。

自転車による運動は、脂肪燃焼や体力向上に効果的な運動強度を維持しやすく、脚部や体幹部の筋肉を使うことにより筋力の維持・増強に役立ちます。また、がんや心臓疾患による死亡・発症のリスク軽減につながります。

・自転車通勤の運動強度は安静時の6.8 倍 3か月で体重と体脂肪率がダウン

 

自転車通勤の運動強度は安静時の 6.8 倍 3 か月で体重と体脂肪率がダウン

 

自転車による通勤は、安静時の6.8倍の運動強度※であるとされています。
3か月間の自転車通勤により、体重が 7%減(約 6kg 減)、体脂肪率が 4%減という調査結果もあります。
※運動強度を示す単位であるメッツ(METs)より

・自転車通勤でがんや心臓疾患による死亡・発症リスクが大幅ダウン

2017 年に発表されたイギリスの研究によると、自転車もしくは自転車および徒歩による通勤では、クルマや公共交通機関に比べて、がんによる死亡リスクが40%、心臓疾患による死亡リスクが52%も低いことが明らかにされています。

 

自転車通勤でがんや心臓疾患による死亡・発症リスクが大幅ダウン

(3)精神面の健康増進

・自転車通勤は気分・メンタルの向上につながります。

自転車通勤は、徒歩やクルマでは得られない心地よさがあり、加えて適度な運動などによって、気分・メンタルの向上につながります。さらに、都市部においては、満員電車に揺られることなく、快適に自転車で通勤することができることもメリットの一つです。

 

自転車通勤で出勤時から帰宅後まで気分がイキイキ・リラックスした状態に-自転車通勤した日

 

自転車通勤で出勤時から帰宅後まで気分がイキイキ・リラックスした状態に-自転車通勤しなかった日