外国人留学生が日本の教育機関を卒業後に、在留資格の変更許可が認められるのは、具体的にはどのような職種なのでしょうか。
基本的には、教育機関で修得した専門知識や技能を活用できる職種でなければ、在留資格の変更は認められません。
以下では、各種教育機関ごとに変更許可に関するガイドラインに基づき、大学卒業者と専門学校卒業者の在留資格変更が認められる職種について見ていきます。
①留学生が大学を卒業した場合
留学生が就職する企業などで従事しようとする業務に必要な技術・知識に関連する科目を専攻して卒業している場合に、在留資格の変更許可が認められています。
たとえば、以下のケースで変更許可が認められています。
・工学部の卒業者が、電気製品の製造会社において、技術開発業務に就く場合
・経営学部の卒業者が、コンピュータ関連の企業において、翻訳や通訳に関連する業務に就く場合
・法学部の卒業者が、法律事務所などで、弁護士補助業務に就く場合
②留学生が専門学校を卒業した場合(専門士の称号が付与された場合)
留学生が専門学校を卒業し、専門士の称号が付与された場合には、おもに以下のケースで在留資格の変更許可が認められています。
・マンガ・アニメーション科におけるゲーム理論、CG、プログラミングなどの履修者が、コンピュータ関連の企業で、ゲーム開発業務に就く場合
・電気工学科の卒業者が、電気通信設備工事などを行う企業で、工事施工図の作成や作業現場における指揮・監督の業務に就く場合
・自動車整備科の卒業者が、自動車の点検・整備を行う企業で、サービスエンジニアとして自動車の点検・整備の業務に就く場合
・翻訳・通訳学科で通訳・言語学・翻訳技法などの履修者が、出版社において、出版物の翻訳業務に就く場合
専門学校卒業者が翻訳や通訳の業務に就く場合の注意点
なお、専門学校の卒業者については、翻訳や通訳の業務に就く場合、他の業務とは判断基準が異なる点に注意が必要です。
具体的には、専門学校において専攻していた学科の内容と、就職希望の職種との関連性が要求される他に、実際に通訳や翻訳の業務を遂行するだけの言語能力を持つことが要求されます。
特に専門学校において、「日本語」という科目を履修していたとしても、留学生の実際の日本語運用能力が日本語の会話や読解などについて、基礎的な能力に留まる場合には、通訳や翻訳に必要な専門知識や技能を持つ者とは認められません。