中国人と日本人が日本の仕組み役場で婚姻届を提出した場合、中国への報告義務はあるのでしょうか?

また、日本で有効に成立した婚姻は中国でも有効でしょうか?

ここでは、この問題についてご説明します。

「反致」とは

中国の法律により、外国人と外国で結婚する中国人には、婚姻の実質的成立要件についても、婚姻挙行地の法律が適用されるとしています。すなわち、日本の民法が適用されます。

この規定を「反致」といいます。

反致とは、日本の法律に基づいて、中国人には中国法を適用しようとしたところ、中国法が、中国人の婚姻の実質的成立要件は、中国法ではなく婚姻挙行地の法が適用されると、反対に送り返してくることです。

つまり日本人と日本で結婚する中国人には、「日本の民法を適用する」ということです。

結婚の方式も、日本で結婚する場合には、まず市区町村役場に婚姻届を提出しますので、日本人同士の婚姻と同じということになります。

どんな場合に日本で婚姻届ができる?

日本で、婚姻届をおこなうことができるのは、下記の場合です。

①日本に中国人と日本人がいる状態で、日本で婚姻届をおこなう場合

②中国人は中国にいるまま、日本人が日本で婚姻届をおこなう場合

日本で婚姻届を提出した後、中国には報告的届出をするという規定はありません。中国での婚姻登記をする前に、外国で結婚が成立した場合には、中国での婚姻登記はできなくなります。もし、中国で婚姻登記をしたいのであれば、中国現地で結婚手続きを先にする以外に、方法はありません。

日本で有効に成立した結婚は、中国でも有効な結婚として認められますので、実質的にはまったく問題がありません。

また、中国の居民戸口簿の婚姻状況欄の「未婚」を「既婚」に書き換えることができます。