外国人労働者に対して退去強制手続きがとられるのは、どのような場合でしょうか。また、救済方法などはあるのでしょうか。
在留外国人について、国家にとって好ましくない事情が認められた場合には、おもに入国審査官の判断により、強制的に国外に退去させることが認められています。
これを退去強制といいます。
退去強制手続きの対象になる事由には、おもに以下の事由があります。
・不法入国・不法残留(オーバーステイ)・資格外活動を行ったなど、入管法が規定する入国や在留に関するルールに違反した場合
・日本に在留する外国人が犯罪を犯し、一定の刑が科せられた場合や有罪判決を受けた場合
・他の外国人の不法入国や不法在留の手助けをした場合
・日本の安全や国益・公安を害する行為を行った場合(行うおそれがある場合を含む)
退去強制手続きは、おもに①入国警備官による違反調査、②違反調査により容疑者として、外国人の身柄の引渡しを受けた入国審査官による審査という手続きを経ます。
そして、退去強制事由に該当すると認定された場合に、退去強制令書が発布され、退去強制令書の執行に基づき、強制的に国外に送還されます。
入国審査官による認定に不服がある場合には、まず、特別審理官に対して口頭審理の請求を行うことができます。
そして、口頭審理の判定に対しても、異議がある場合には、法務大臣に対して異議の申立てを行うことができます。
原則として、異議の申し出に理由がなければ、退去強制が行われます。
しかし、外国人が永住許可を受けているなど一定の条件を満たす場合には、法務大臣の裁量により在留特別許可が認められ、退去強制を免れることができる場合があります。