日本人と待遇面で差をもうけない

国籍や人種などに基づく差別的取扱いを禁止

外国人労働者に対しても、日本の労働に関する法律が適用され、日本人労働者と異なるところはありません。

たとえば、賃金について、日本人労働者と、同一の内容で同一の時間就業しているのに、外国人労働者の賃金が安く設定されている場合には、不合理な待遇の差として許されません。なぜなら、労働基準法が明文で、国籍や人種などに基づく差別的取扱いを禁止しているためです。

待遇の差が設けられている場合には、合理的な根拠が必要

そこで、外国人労働者と日本人労働者との間に、待遇の差が設けられている場合には、合理的な根拠があることが不可欠です。

使用者は、労働条件に差が設けられている場合には、外国人労働者に対して、労働条件を明示するとともに、おもに以下の要素に基づき、待遇に差が設けられていることを客観的に示す必要があります。

・正社員であるのか、パートタイマーなどの非正規雇用であるのかなどの雇用形態の違い

・就業する業務の内容

・勤続年数に基づく賃金などの算定基準の差

特に、外国人労働者にとって理解が難しいのは、日本の伝統的な年功序列に基づく賃金体系であるといわれています。最近では、日本でも取り入れられている考え方といえますが、諸外国においては、勤続年数ではなく、能力に応じた賃金体系が整備されています。

これに対して、必ずしも労働者の技能や成果ではなく、勤続年数の長さに応じて、賃金に差が生じることに戸惑う外国人は少なくありません。

使用者は、外国人労働者の目線に立って、外国人に理解できる形で、どのような場合に、待遇に差が設けられており、いかなる根拠に基づく差であるのかを客観的に示すことができるような、書面の交付や説明方法を工夫する必要があります。

日本人労働者との待遇の差の禁止

(例)
日本人
業務の内容:製品の製造
勤続年数:20年
給与:月額30万円

外国人勞働者
業務の内容:製品の製造
勤続年数:2か月
給与:月額20万円

賃金を例にとると
原則:国籍・人種に基づく賃金の差は許されない
日本の雇用習慣:年功序列型に基づく賃金体系

上記のような賃金の差か合理的な差別として許される場合がある

外国人労働者が客観的に理解できる方法で示す必要がある