家事事件

法律相談

私たち(女性A国籍、男性B国籍)は、ともに外国人ですが、現在日本に住んでおり、日本で結婚したいと考えています。私たちは日本で結婚することができるでしょうか。
また、その際の手続はどのようになるのでしょうか。

 

日本で結婚することができます。手続は日本法の方式で行っても、当事者の本国法により認められている方式で行ってもよいとされています。

1日本法の方式で行う場合

婚姻の実質的成立要件は各当事者の本国法によるとされ(法適用通則法24条1項)、方式(形式的成立要件)については、婚姻挙行地の法によるとされています(2項)。

したがって、日本に住んでいる外国人が結婚する場合には、婚姻挙行地である日本法の方式、すなわち地方自治体の戸籍届出窓口に婚姻届を提出する方法によります。市町村長に両当事者に婚姻の要件が備わっていると認められ、受理されれば、婚姻は有効に成立します。

外国人同士が婚姻する場合の婚姻届の提出先は、戸籍法25条2項に「外国人に関する届出は、届出人の所在地でこれをしなければならない。」と規定がありますので、どちらか一方の外国人の所在地の地方自治体の戸籍係になります。

「届出人の所在地」とは、一時の滞在地も含みます(明治32.・11・15民刑第1986号回答)。

婚姻成立のためには、外国人が、その人の本国の法律が定めている婚姻の成立要件(実質的成立要件を満たしていることが必要ですから、市町村では、婚姻届を受理するにあたって、この点を審査します。その証明のため、外国人については婚姻要件具備証明書を提出しなければなりません。

なお、婚姻要件具備証明書など、外国語で書かれた書類を提出する際にはすべてに日本語の訳文を付けなければなりません。翻訳者は本人でも構いませんが、翻訳者の氏名の記入は必要です。

婚姻届には、届出人の署名押印欄がありますが、外国人で印鑑を持っていない場合には、署名のみで足ります。

婚姻届が受理されると、日本人のように戸籍に記載はされませんが、届出書は50年間、受理市町村に保管されます。

婚姻に関する証明書が必要な場合には、婚姻届受理証明書、又は届出書に基づく記載事項証明書の発行を請求することができます。

2当事者の本国法の方式で行う場合

法適用通則法は、婚姻の方式について、当事者の一方の本国法に適合する方式でも有効としていますので(法適用通則法24条3項本文)、当事者の本国法により認められている方式(儀式婚、宗教婚等)に則って、日本で行われた婚姻も有効に成立します。

3日本での婚姻を本国で有効とするための方法

日本で有効に成立した婚姻が当事者の本国で有効とされるかどうかは、その本国の定めにより決まります。

したがって、日本にある本国の大使館等の公的な機関に、本国で有効な結婚と認められるための要件や手続が満たされているかどうかを確かめることが必要です。