在留管理制度

就労したい外国人の在留資格についてご説明します。

法律相談

私(日本人)は、学習塾を経営しているのですが、この度外国から英会話教師を呼び寄せ、雇用しようと考えています。その外国人が日本で就労するためには、どうすればよいでしょうか。

入管法で定められている就労可能な在留資格のいずれかに該当している必要があります。
相談者のケースでは、招へい者がその外国人を代理して、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格認定証明書の交付を受け、本人に送付し、本人は査証取得の上、入国することになります。

1申請人の資格要件

入管法は、外国人の在留資格ごとに日本において従事可能な活動を定めています(入管法2条の2、19条1項、別表第1・第2)。

申請人が「技術・人文知識・国際業務」の在留資格のうち「国際業務」の要件に適合するためには、日本の公私の機関との契約に基づいて行う、外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(入管法別表第1)を行う必要があります。

ここでいう「外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動」とは、いわゆる外国人特有の感性、すなわち、外国に特有な文化に根ざす一般の日本人が有しない思考方法や感受性を必要とする業務をいいます。

通常の英会話学校で英会話を教えることはここにいう業務にあたり、学習塾における語学の指導もこれに該当します。

さらに申請人は、「国際業務」の要件に適合するために、基準省令に掲げる基準をすべて満たしている必要があります。

その基準としては、

①翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発その他これらに類似する業務に従事すること、

②従事しようとする業務に関連する業務について3年以上の実務経験を有すること(ただし、大学を卒業した者が翻訳、通訳又は語学の指導に係る業務に従事する場合は、この限りでない)、

③申請人は日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること

が挙げられています(基準省令)。

本事例では、語学の指導にあたる外国人が、大学を卒業(学士又は短期大学学士以上の学位を取得していることが必要です)していない場合には3年以上の語学の指導経験を有することが必要です。

また、給与額についても日本人と同水準である必要があります。

2受入団体の資格

受入団体としての学習塾や英会話学校は、個人経営であっても、外国人が在留活動を行うことができる施設及び陣容を有しており、事業が適正に行われ、安定性及び継続性が認められるものであれば問題ありません。

また、外国人との契約は、雇用形態だけでなく、委任・委託・嘱託等の形態であっても構いませんが、期間はある程度継続的なものである必要があります。

3招へいの手続

外国人を招へいする際には、一般的には、招へい者が本人の代理で「技術・人文知識・国際業務」の在留資格認定証明書(入管法7条の2)を取得して、本人に送付した上、本人が在外公館において査証申請することになります。

これによって、当該外国人が日本で就労できるか否かを、予め知ることができます。

在留資格認定証明書の交付を受けるためには、出入国在留管理局ホームページに掲載されている所定の書類を地方出入国在留管理局に提出する必要があります(入管規則6条の2第1項・2項、別表第3)。