Q.
私は米国に本店がある証券会社で働いていますが、今回、日本支店に5か月間の予定で派遣されました。私の給与は本店から支払われますが、翌月に本店から支店に付替え(charge)がなされ、日本支店で負担しています。
私は、短期滞在者免税を受けることができるのでしょうか。

A.
あなたの給与は、結果として日本支店が負担しているため、租税条約による短期滞在者免税の規定は適用されません。

1. あなたは5か月の滞在期間なので非居住者に該当しますが、国内において行う勤務に基づき支払いを受ける給与は国内源泉所得とされますので(所法161①十二イ)、国内法では日本において課税されます。

2. 次に、あなたは日本の非居住者、米国の居住者なので、日米租税条約について検討する必要があります。
日米租税条約第14条第2項では、短期滞在者免税の要件として次のことが挙げられています。

①当該課税年度において開始又は終了するいずれの12か月の期間においても、報酬の受領者が当該他方の締約国内(日本)に滞在する期間が合計183日を超えないこと。

②報酬が当該他方の締約国(日本)の居住者でない雇用者又はこれに代わる者から支払われるものであること。

③報酬が雇用者の当該他方の締約国内(日本)に有する恒久的施設によって負担されるものでないこと。

あなたの場合、⑴の要件は満たしていますが、③の要件を満たしていないため、短期滞在者免税の適用はありません。