Q.
当社は製造業を営む会社ですが、中国人研修生を受け入れており、研修生に対して研修手当を支給しています。当社に得意先から大量の発注があったため、この研修生に研修以外に残業をしてもらって、残業部分に対して研修手当以外に超過勤務手当を支給することとしました。
源泉徴収は必要でしょうか。
A.
源泉徴収は必要ありません。
日中租税条約第21条では、次のように規定しています。
「専ら教育若しくは訓練を受けるため又は特別の技術的経験を習得するため、一方の締約国内(日本)に滞在する学生、事業修習者又は研修員であって、現に他方の締約国(中国)の居住者であるもの、又はその滞在の直前に他方の締約国(中国)の居住者であったものが、その生計、教育又は訓練のために受け取る給付又は所得については、当該一方の締約国(日本)の租税を免除する。」
したがって、超過勤務手当的な部分があるからといって、免税が受けられなくなるというわけではありません。
ただし、「専ら・・・訓練を受けるため又は特別の技術的経験を習得するため、日本に滞在する・・・学生、事業修習者又は研修員」に適用されるものであるため、研修としての実態がなく、通常の就労と何ら変わらない場合には、研修生が受け取る手当は、給与として源泉徴収が必要になります。
なお、日中租税条約第21条の適用を受けるためには、「租税条約に関する届出書(様式8)」及び「訓練を受ける施設又は事業所の発行する事業、職業又は技術の修習者であることを証する書類」(実特令8①九)の提出が必要になります。