Q.
租税条約に短期滞在者免税というものがあり、非居住者で、日本国内の勤務日数が183日以下で、他の要件も満たせば、日本の税金はかからないと聞きました。
この制度について教えてください。

A.
OECDモデル条約では、給与等の報酬について、原則として勤務が行われた国で課税できることになっています(OECDモデル条約§15)。

しかし、勤務した国において課税される場合、その勤務した者の居住地国が勤務地国と異なる場合、勤務地国と居住地国の双方で税金が課されてしまいます。この二重課税を避けるために、次の条件を満たせば、勤務地国での課税を免除することとしています。

1. 当該課税年度において開始し、又は終了するいずれの12か月間においても、報酬の受領者が、当該他方の締約国(例えば日本)に滞在する期間が、合計183日を超えないこと。

2. 報酬が当該他方の締約国(例えば日本)の居住者でない雇用者、又はこれに代わる者から支払われるものであること。

3. 報酬が雇用者の当該他方の締約国内(例えば日本)に有する恒久的施設(例えば支店)によって負担されるものでないこと。

各国の租税条約では、要件が異なるものもあるので、実際の検討に当たっては、必ず租税条約を確認することが必要です。