国際結婚で一番重要な「婚姻要件具備証明書」
国際結婚の必要書類の中で、一番重要なのが、「婚姻要件具備証明書」といわれるものです。
これは、結婚する相手の外国人が独身であり、相手側の国の法律で結婚できる条件を備えているということを、相手国政府が証明した公的文書のことです。日本や台湾などのように、国として「戸籍制度」を採っている国々では、戸籍の謄本がこれにあたります。
「婚姻要件具備証明書」がない国が多い
しかし、このような公文書が世界各国にすべて用意されているとは限りません。そもそもこのような公文書が制度的にない国も多く、その場合には以下の公文書などがそれに代わるものとして、日本の役所に提出することになっていますので、事前に必要なものを確認しましょう。
「婚姻要件具備証明書」に代わる外国の公文書類など
①宣誓供述書(AFFIDAVID)
パキスタン、バングラデシュ、インドなどの国では、婚姻要件具備証明書を発行していません。これらの国では、本国などから取り寄せる宣誓供述書が独身を証明する書類になります。これは、本人が独身で、本国の法律において結婚できる旨を在日公館の領事の前で宣誓したり、本国の公証人の前で、本国の父母や親族(父親が原則)が供述し、それを認証した書類です。
役所によっては、宣誓供述書に在日外国公館の認証印を要求することもありますので、あらかじめ役所に確認しましょう。
宣誓供述書には、独身の証明以外に、国籍、生年月日、宣誓者と本人との続柄などが記載されていますが、パスポートの内容と違うことがありますので、記載内容を確認しましょう。
②申述書
在日韓国・朝鮮籍などの外国人が、自分達の本国政府が本人の身分関係を把握していない場合、婚姻要件具備証明書などが発行されませんので、本人がその理由と結婚の条件を満たしていることを書いて提出する文書のことです。
婚姻要件具備証明書の発行国であっても、何らかの理由によりその発行が受けられない場合や、本国の発行する証明書が婚姻要件具備証明書の条件を満たしていない場合などには、申述書も必要となることがあります。
③結婚証明書
日本の国内で、外国人と日本人がその外国方式(在日大使館など)で結婚したことを証明した公文書です。
たとえば、在日イスラム寺院、カトリック教会又はギリシャ正教会で結婚した旨を証明する各在日大使館などが発行した証明書などがあります。
④公証人証書
本国の公証人によって、本人が結婚の条件を満たしているという旨の証明がなされた文書です。ただし、公証人証書を、婚姻要件具備証明書とし、婚姻届の受理される場合もあります。
以上の文書のうち、公的機関が発行した正式な文書ではない場合などには、日本の役所に提出しても、すぐに「婚姻届」が正式に受理されるわけではありません。
役所側では上級機関の各地方法務局の戸籍課へ「受理伺い」を出しますので、受理までに通常2カ月ぐらいの時間がかかります。その間に、法務局から後日直接2人に呼び出しがあり、相手の本国法により、結婚条件が問題ないかどうかの聞き取り調査があります。