手続きの流れ

日本人がフィリピンに渡航して、先にフィリピンの方式で結婚をする手順をご説明します。

フィリピンでの手続きは、市役所で許可をもらって、法律で認められた人による挙式をして、その後に婚姻登録をするといった3段階になっています。地方や宗教宗派によっても違いもあり、実際の手続きはこの記事と違っている点もあるでしょう。

フィリピンで手続きをするために渡航するのであれば、配偶者となるフィリピンの方やそのご親族によく現場の事情を調べてもらってから、余分のあるくらい万全の書類を用意して行くことをおすすめします。

この一連の手続きには、相当の時間と労力を投入うしなければならず、尋常ではない忍耐を要することになります。フィリピンの手続きにおいては、権限が分けられ、それぞれの役割が異なっているため、日本人にはなかなか理解ができず、不安になることも少なくありません。

許可証の発行は慎重な手順を踏んでおこなわれるため、10日間という日数がどうしてもかかります。どの役所でどんな手続きをするのか理解してから、フィリピンに渡航した方が良いでしょう。

また、実績のある専門業者にサポートを依頼するという方法もあります。費用はかかりますが、ストレス軽減と時間・労力の節約になります。

日本への渡航の準備も含め、手続きの流れは次のようになります。

1.日本人が日本で書類を準備し、フィリピンに行く。

2.フィリピン人も書類を準備する。

3.上記の1と2の書類をもとに、在フィリピンの日本大使館又は領事館で、日本人の「婚姻要件具備証明書」を発行する。

4.市役所で、夫婦がそろって家族計画講習を受ける(ない場合もあります)。

5.2人で市役所などの戸籍登録官に3と4、他の書類を提出し、又面前で宣誓し、婚姻許可証の申請をする。

6.連続10日間、婚姻についての事柄を掲示し、障碍申立ての情報がなければ、婚姻許可証が発行される。

7.結婚式をする。

8.婚姻契約書(Marriage Contract)登録をし、婚姻証明書の発行を受ける。

9.日本の役所あるいは大使館・領事館に婚姻届をする。

10.日本の出入国在留管理局で、在留資格認定証明書交付申請をする。

11.在フィリピンの日本大使館又は領事館でビザ申請をする。

12.海外移住のための講習を受け、受講修了ステッカーの交付を受ける。

婚姻許可証の「申請」と「発行」があり、「挙式」とその後の「婚姻契約登録」と3段階になっています。
以下、順を追ってご説明します。

日本大使館・領事館で「婚姻要件具備証明書」を申請

それぞれが、次の書類を各1通用意して、在フィリピン日本大使館・領事館にて婚姻要件具備証明書の申請をおこないます。

日本人の書類

①婚姻要件具備証明申請書

②戸籍謄(抄)本(発行後3カ月以内のもの)

婚姻歴のある方は、その事実も婚姻要件具備証明書に記載するため、それらの記載のある書面を準備しなければなりません。たとえば除籍謄本にまでたどります。

③パスポート

フィリピン人の書類

国家統計局(PSA)あるいは市役所発行の出生証明書

もし出生証明書の記載が不鮮明な場合には、パスポート、ID又は洗礼証明書、出生記録不存在証明なども提示あるいは提出します。

申請当日から3日後までの間に同証明書が交付されます。

婚姻許可証の申請

日本人の婚姻要件具備証明書が交付されれば、次にフィリピン人の居住している市役所など自治体の戸籍登録官に婚姻許可証の申請をします。

婚姻許可証の申請に必要なもの

出生証明書、洗礼証明書の原本提示又は原本保管認証の写し、2人それぞれの写真を提出します。

市役所によっては、日本人の印鑑が必要となることもありますので、事前にフィリピンの方の親族に確認してもらった方がよいでしょう。

登録官は、申請人の氏名、住所その他の申請書記載の事項を、登録所構内で一般の人が立ち入れる表戸などの目立つ場所の掲示板に連続10日間掲示します。

この掲示の中で、人びとに対し婚姻障碍について知るところを登録所に通知するように要求します。婚姻障碍についての通知があったときには、そのことを婚姻許可申請書に記載します。

しかし、公示期間満了後は、職権または利害関係人の請求による裁判所の特別の命令がなければ、婚姻許可証は発行されます。

フィリピンで婚姻の挙式

婚姻許可証は、フィリピン国内で120日間のみ有効となりますので、その間に挙式をしなければなりません。日本人が忙しい場合は、この婚姻許可証の申請をしていったん帰国し、その後、挙式のために再度フィリピンに行くことも少なくありません。

なお、イスラーム教徒その他の異文化に属する者の間での婚姻には、婚姻許可証は必要でなく、彼らの習慣、儀式によっておこなうものとする(家族法)とされています。

婚姻の挙式では、結婚式を司る者と成人2名の証人の前で夫婦になることを宣言し、関係者が署名又は押印し、それを4通の文書にします。そのときに、前述の婚姻許可証が必要となります。

挙式を司る権限のある者

挙式を司る権限のある者は、次のように決められています。

①最高裁判所の首席裁判官及び準裁判官

②上訴裁判所主席裁判官及び他の裁判官

③第一審裁判所の裁判官

④市長

⑤都市裁判官及び治安判事

⑥政府より認可状を発行されたすべての教会、宗教、宗派の神父・牧師、僧侶、ラビ(ユダヤ教におけるシナゴーグの主管者)

⑦船長、機長、軍司令官、領事及び副領事

挙式所は裁判官や市長の事務所、教会、寺院、礼拝堂で公開でおこなわれます。

婚姻の登録

挙式において作成した複数の婚姻契約書のうち、副本1通は挙式を司った牧師などが保管します。別の副本1通は、市役所等自治体の戸籍登録官に送付し、15日以内に婚姻の登録がされます。

原本である1通は婚姻をした者に渡されます。

これで、ようやくフィリピン方式による婚姻手続きが完了します。この書面の内容は結婚契約をするとなっていますが、書面のタイトルが「Certificate of Marriage」となっているため、以下では婚姻証明書と呼びます。

日本への報告的届出

次に、このフィリピンでの結婚成立をもとに、日本での報告的届出をしればなりません。在マニラの日本国総領事館に届ける場合には、以下の書類を日本人の署名押印のある婚姻届とともに提出します。外国文には翻訳者名を明記した日本語の訳文の添付が必要です。

届出人

当事者双方、もしくは何れか一方

必要書類

①婚姻届出書(大使館備付け) 2通
https://www.ph.emb-japan.go.jp/visiting/consular_j/consular_update/marriage.pdf

②戸籍謄(抄)本 2通 (原本1通、写し1通)

③フィリピン人配偶者の旅券(写し)(旅券がないときは出生証明書)及び日本語翻訳文:各2通(原本1通、写し1通。旅券の場合は身分事項頁の写し2通を提出するとともに、原本を窓口で提示)

※出生証明書はフィリピン統計局(PSA:旧NSO)発行のもの(PSAに登録がない場合は、市役所発行のものでも可)

④婚姻証明書及び日本語翻訳文 各2通 (原本1通、写し1通)

フィリピン方式の場合は、婚姻証明書は市役所発行の原本照合済み(CERTIFIED TRUE COPY)のスタンプのあるもの、PSA発行のいずれも可

⑤婚姻許可証、婚姻許可申請書及び婚姻要件具備証明書のコピー 各1通
※フィリピン以外の国の方式の場合は、不要

⑥届出人を確認する写真付きの身分証明書(旅券、運転免許証、SSSカードなど)

届出期間

婚姻成立後3ヵ月以内
※届出期間を過ぎても届出をすることができます。その場合には、上記必要書類の他に「遅延理由書」2通(原本1通、写し1通)を添付してください。

参考:在フィリピン日本大使館HP

在外公館に届けた場合には、本籍地の戸籍に婚姻事実が記載されるまで2カ月程度要するため、この報告的届出は日本人の本籍地の市区町村役場でおこなうほうが時間を短縮できます。その際の添付書類も少なくなりますのでご確認しましょう。

フィリピン配偶者と日本で暮らす場合

両国での婚姻が完了したところで、日本で同居するのであれば、フィリピン人の配偶者を呼び寄せるための手続きをすることになります。

短期滞在のビザで入国し、日本に入ってから、入管で配偶者の資格に変更の手続きをすることは特別の事情がない限り認められません。したがって通常は、配偶者としての「在留資格認定証明書交付申請」を日本の出入国在留管理局にすることになります。

国家統計局(PSA)発行の出生証明書と婚姻証明書に外務省(DFA)認証をしたものは、特に入管から要求される可能性がありますので、用意しましょう。

在フィリピンの日本大使館・領事館でビザ申請

在留資格認定証明書が交付された後、それをもとに在フィリピンの日本大使館・領事館に次の書類を提出してビザ申請をします。

① フィリピン共和国パスポート

② 査証(ビザ)申請書

③ 申請用写真 1 枚(4.5 ㎝×4.5 ㎝、上半身無帽、背景白)

④ 在留資格認定証明書原本及び写し1部

⑤ 出生証明書
※ 文字がつぶれて読めない、又は、端が切れて情報が完全でない場合は、市町村役場発行の出生証明書を一緒に提出。

※出生届が遅延登録の方は別途「洗礼証明書」を一緒に提出。

※国家統計局(PSA)に記録が無い場合は、市町村役場発行の出生証明書とPSA発行の無登録の証明書を一緒に提出。

⑥ 婚姻証明書
※婚姻記録がPSAに無い場合は、市町村役場発行の婚姻証明書とPSA発行の無婚姻証明書を提出。

※⑤及び⑥は、PSA本部又は「Serbilis Outlet Center」で取得する。いずれも発行から1年以内のものに限る。

出国前サービスのセミナーの受講

最後に、結婚して海外居住を目的とするフィリピン人の場合には、ビザがあっても出国することはできません。出国の際に、パスポートに出国を許可するフィリピン当局のステッカーがなければなりません。

海外移住するフィリピン人は、CFO(Commission on Filipinos Overseas)での出国前サービスのセミナーの受講が義務付けられています。それに登録するために次の書類を提出します。

①パスポート

②ビザとそのコピー

③パスポートサイズの写真1枚

④IDカードとそのコピー

⑤在留資格認定証明書のコピー

⑥申込書

その最低2時間の海外生活の注意点やフィリピン国民に対する在外サービスについてのセミナーを受講し終わると、GCC(Guidance and Counse Certificate)が発行され登録がなされ、出国に必要なCFOステッカーをもらうことができます。

これで、日本人の配偶者として日本に行くことができるようになります。

ISO発行の出生証明書は、日本大使館への婚姻要件具備証明書の申請からはじまり、全部で6枚必要ですので、今一度ご確認しましょう。