家事事件

法律相談

私の知り合いの外国人の方が、裁判を起こしたいので弁護士を依頼したいそうなのですが、知り合いもなく、お金もありません。どうすればよいでしょうか。

 

その方が適法に日本に在留する資格を有していれば、日本司法支援センター(通称:法テラス)による援助を受けられます。そうでない場合でも、日弁連が弁護士費用を援助する法律援助制度の利用ができます。

1法テラスの対象事業

まず、その外国人の方が、「日本に住所を有し適法に在留する者」(総合法律支援法30条1項2号)に該当し、日本司法支援センター(以下、「法テラス」という)の定める収入基準を満たすときには、法テラスが実施している民事法律扶助の法律相談を無料で受けることができ、また、弁護士費用の立替えを受けることができます(同法30条1項2号イ〜ホ)。

ここでいう、「日本に住所を有し適法に在留する者」というのは、ある程度長期の在留資格を有する者をいいます。

ですから、在留資格があっても、観光のため短期滞在の在留資格で一時滞在している方は対象外です。

また、住所を有していても、在留資格を有しない方はやはり対象外となります。ただし、ハーグ条約実施法の施行により、国際的な子の連れ去りの事件に限り、これまで日本の民事法律扶助制度の対象とならなかった海外在住の外国人の方についても、ハーグ条約締約国の国民又は締約国に常居所を有する方は、民事法律扶助制度を利用することが可能となりました(実施法153条)。

収入基準は、次のとおりです。

※1東京、大阪など生活保護一級地の場合、()内の基準を適用します。以下、同居家族が1名増加するごとに基準額に30,000円(33,000円)を加算します。

※2申込者等が、家賃又は住宅ローンを負担している場合、基準表の額を限度に、負担額を基準に加算できます。居住地が東京都特別区の場合、()内の基準を適用します。

対象となる事件は、法律相談であれば、無限定です(総合法律支援法30条1項2号ホ)。そのため、在留資格関係の相談をすることもできます。

いくつかの法テラス地方事務所では、通訳人付きの外国人無料法律相談を毎週実施しています。詳しくは、法テラスのホームページ(http://www.houterasu.or.jp/)から、法テラス各地方事務所の案内を参照してください。

また、法テラスの契約弁護士が事務所で法律相談を実施する際に、通訳人を依頼した場合には、法テラスからその通訳費用が実費として支出されます。

しかし、代理人として事件を依頼したり、あるいは書類作成をしてもらったりするのは、民事裁判等手続に限定されています(同法30条1項2号イ(2))。

ですから、行政手続、例えば、出入国在留管理局に提出する書類の作成代行を頼んだとしても、その場合の弁護士費用等は、法テラスからは支出されません。

なお、刑事事件で国選弁護人を選任したい場合には、在留資格による区別はありません(同法30条1項6号)。

2弁護士会の法律援助制度

総合法律支援法による援助の対象とならない場合であっても、日弁連が費用を支出して法テラスに事業を委託している外国人に対する法律援助を利用することができます。

対象となるのは、総合法律支援法30条1項2号の「日本に住所を有し適法に在留する者」に該当しない方です。

また、総合法律支援法30条1項2号の「日本に住所を有し適法に在留する者」であっても、民事事件以外は同法の対象外となりますが、日弁連の委託事業では、在留資格、労働災害等で人権救済を必要とする方については、その行政手続について援助をすることが可能です。

さらに、難民事件については、日弁連と国連難民高等弁務官事務所が費用を分担し合って、難民援助事業を実施しています。

難民申請、第1次不認定処分に対する審査請求手続といった行政手続及び難民不認定処分を争う行政訴訟についての弁護士費用及び実費の一部が、援助対象となります。

いずれの場合も、法テラスとほぼ同水準の資力基準を満たすことが必要になります。