家事事件

法律相談

日本語が全くできない外国人が弁護士などに法律相談を受ける場合、通訳はどのようにして頼めばよいでしょうか。
また、通訳を介して話すときに、注意すべきことはありますか。

インターネット上で検索すれば、通訳サービスを提供している会社は多数存在します。
費用負担が難しい場合には、相談者の友人に依頼したり、各地の国際交流協会でボランティアの通訳を紹介してくれることもあるので、相談するのもよいでしょう。
通訳を介して話をするときには、通訳人と質問者の役割を峻別すること、誤訳を避けるための工夫をすることが大事です。

1通訳人の手配

インターネットで検索をすると、通訳サービスを提供してくれる会社は多数ヒットします。通訳費用を負担できる場合には、それを利用することも考えられます。

ただし、公的な通訳資格の認定制度がないので、能力は必ずしも担保されていません。

ただし、プロの通訳を依頼すると、その費用が高額になることもあります。

そこで、費用負担が難しい場合には、とりあえず相談者の知人に頼むこともよくあります。

さらに、各地の国際交流協会の中には、ボランティアで通訳を紹介してくれるところもあります。問い合わせをしてみるとよいと思います。

2通訳人の役割

通訳人の役割は、あくまで機械的に通訳をすることです。よかれと思って、回答を分かりやすく要約することもありますが、これは通訳人の職分を超えています。省略されたことの中に重要な事実が入っているかもしれません。

それが省略しても構わないことなのかどうかを判断するのは、相談を受けている弁護士などです。

ですから、決して省略をすることなく、言ったことをそのまま訳してもらうようにしましょう。

そのまま訳すと意味が分からなくても、そのとおり訳してもらいましょう。

それで意味が通じなければ、弁護士などが再度質問の仕方を変えるなどして、意思の疎通を図るべきです。

3通訳人の個人情報

外国人相談者に、通訳人の名前を告げるのは避けるべきです。もちろん、通訳人自身が自ら名乗るのであれば問題はありませんが、名前を出すと、後に、何らかのルートで通訳人に直接連絡が来て、相談を持ちかけられたり、弁護士などに電話してほしいと頼まれるなど、通訳人の本来業務を超えた負担を掛けてしまうといったトラブルもあります。

さらに、相談者が、弁護士などを介さずに、通訳人と独自に話をすることもしばしばあります。

日本語の通じない相談者が、会話のできる通訳人とだけ話をしたくなるというのは、人情からいえば当然でしょうが、それも、本来の通訳人の業務を超えています。

通訳人が好意で行ってくれるものまで阻止する必要はありませんが、それが通訳人本来の業務ではないことを、十分に意識をし、弁護士などが会話をコントロールすることが必要な場面もあるでしょう。

4発問回答の仕方

ともかく、短く発問し、短く答えてもらう、というのが大原則です。

ある言葉を外国語に訳すときに、完璧に正確に伝えることができるというのは、およそ考えられません。私たちが会話をするときに、完璧な文法で話すことはまれです。日本語でも言い間違いをすることはよくあります。

そのために、日本語で話していても、きちんと真意が伝わらないということは、日常的によく体験するところでしょう。

通訳人を介した会話では、通常の会話に、さらに2段階の伝聞過程が加わります。

同じ言語であれば、発問→回答という過程で済むのが発問→(通訳)→回答→(通訳)という過程を経ることになるのです。

伝開過程が倍になるためエラーが生じる可能性も倍になります。

誤訳、誤解、言い間違いなどによって、むしろ真意が100パーセント伝わらないのが当然だという認識でいるべきです。通訳人の能力がいかに高くても、生じ得る問題です。

そのため、弁護士などが心掛けるべきなのは、いかに、その誤りが生じる可能性を低くするかです。

そのためには、できる限り、短く、分かりやすい言葉で話をすることが大事です。

長い長い、複雑な構造の英文を日本語に訳すのと、細切れになった英文を訳すのとではどちらが訳しやすいか、間違いが少ないか、結論は自明です。それと同じことです。

弁護士などが上記のような工夫をすることにより、誤りが生じる可能性を少しでも低くするべきです。

そして、同様の理由から、回答についても、なるべく短くしてもらうことが大事です。