法律相談2

法律相談

インターネット上の掲示板に、私の名前と私が在日コリアンであることについての侮蔑的な表現が掲載されているのをみつけました。削除してもらうことはできますか。また、書き込みをしたのは誰かわかりませんが、その人に対して損害賠償請求をすることはできますか。

 

利用規約違反を理由に、又は特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下、「プロバイダ責任制限法」という)に基づいて、プロバイダに対して削除要求ができます。書き込みの内容によっては損害賠償請求をすることもできます。

1削除要求について

インターネット上のヘイトスピーチについては、掲載されているページの作成者や管理者(レンタル掲示板運営者など)が削除依頼に対応していることも少なくありません。

プロバイダの利用規約において人種差別的書き込みの規制についても規定されていることが通常ですので、利用規約違反を理由にプロバイダに対して削除要求をすることもできます。

特に、インターネット上のヘイトスピーチのうち特定の個人や法人に対するものの場合は、プロバイダ責任制限法に基づき、プロバイダ等特定電気通信役務提供者に削除要求をすることができます(プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会「プロバイダ責任制限法名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン」参照)。

2刑事告発・損害賠償請求について

インターネット上の記載内容によっては名誉毀損罪・侮辱罪・業務妨害罪等の刑法犯罪、及び民法上の不法行為に該当しますので、その場合には、刑事告発や損害賠償請求を行うことができます。

書き込んだ人に対して損害賠償請求を行いたい場合には、誰が書き込んだのかを特定する必要がありますが、プロバイダ責任制限法に基づいて発信者情報開示の請求ができます。

裁判所は、インターネット上のヘイトスピーチについても損害賠償請求を認める判決を出しています。

【大阪地判平成29・11・16判時2372号59頁】は、インターネット上の投稿をまとめたブログ記事(いわゆる「まとめサイト」)を運営する者が、在日コリアンのフリーライターに関する投稿の内容をまとめた記事を掲載したという事案で、ブログ記事の内容が名誉毀損・侮辱・人種差別・女性差別にあたり、人格権を侵害するとして、不法行為に基づく損害賠償請求を認容しました。

この中で裁判所は、ブログ記事の内容が人種差別撤廃条約及びヘイトスピーチ解消法の趣旨及び内容に反する人種差別にあたると認定し、そのことを名誉毀損等と並ぶ人格権侵害の根拠の1つとしています。この判断は、控訴審判決【大阪高判平成30・6・28判例集未搭載】でも維持されています。