日常生活1

法律相談

Q1
私(特別永住者)は日本で生まれ、2018年現在68歳です。年金記録を確認したところ40歳の頃に半年程度の年金加入記録がありました。私は年金受給することはできますか。

Q2
私(外国人)は、2007年に51歳で来日し、日本人の女性と結婚し、2016年に永住権を取得しました。来日後国民年金を支払い続けていますが、年金を受け取ることはできますか。

 

特別永住者のために年金に加入できなかった期間や、海外に在住していた期間を年金支払期間に合算して年金の受給が認められています。

1年金合算対象期間とは

2017年8月から国民年金を受給するための加入期間が10年に短縮され、年金受給対象者が大幅に拡大しました。

そして、加入期間が10年未満の場合でも、Q1の特別永住者のように日本に居住していたにもかかわらず、過去に法律上年金加入が認められていなかった期間があれば、当該期間を合算対象期間(期間の計算にはいれるが、年金額には反映されない期間)として、加入期間に合算対象期間を加えた期間が10年以上あれば、年金受給申請が可能です。

また、Q2のように、外国人が中高齢者となってから日本国内に住所を有し、その後日本国籍や永住権を取得した場合にも、これらの人の海外在住期間が合算対象期間となっています。

2具体的な年金資格期間の要件

まず、①日本国籍を取得した外国人又は永住許可を受けた外国人の20歳以上60歳未満(原則、年金加入期間)の期間のうち、国民年金法(1959年成立)に基づき、保険料の徴収が開始された1961年4月から、同法の国籍要件が撤廃される1982年1月より前までの間、外国人として在日していた期間が合算対象期間となります。

また、②1961年4月以降で、日本国籍や永住権を得る前に海外に居住していた期間が合算対象期間となります。

Q1では、相談者が20歳になった1970年から1981年12月までの年数と、相談者が年金を支払った6か月間を合算すると10年を超えますから、年金の受給権を得ることができます。

Q2では、2007年に51歳で来日し、2016年に永住権を取得していますが、海外居住期間の約30年間を合算対象期間として合算できますので、来日後の期間の国民年金の支払いにより、年金の受給権を得ることができます。

本事例のようなケースでは、年金受給額には反映されませんが、老齢基礎年金の受給資格期間に算入することができます。

また国民年金の支払いの有無は障害年金や遺族年金の受給にもかかわってきます。

なお、厚生年金同様、国民年金についても、加入した外国人が帰国する場合には脱退一時金の保障があります。

すなわち、国民年金の第1号被保険者としての保険料納付済期間が6か月以上あるなどの一定の場合で、日本国籍を有していない外国人の方が帰国した場合は、保険料納付済期間に応じて、脱退一時金が支給されます。