法律相談
私は、日本に留学生として来ていますが、夏休みに一時帰国したいと考えています。特に手続をとらずに帰っても、再来日は可能でしょうか。
在留カードの交付を受けている中長期在留者や特別永住者等は、比較的短期間の出国の場合には、「みなし再入国許可」の利用により、出国前の在留資格を保持しながら本国又は第三国に出国し、再度日本に上陸することができます。
「みなし再入国許可」の期限を超える可能性がある場合や、みなし再入国許可を利用できない場合は、予め出入国在留管理局で再入国許可を受ける必要があります。
1在留資格と出国再入国許可とは
在留資格は日本にいる限りのものであり、日本に在留する外国人が出国すると、それまで持っていた在留資格を失うものとされています。
これは在留期間が定められていない「永住者」や入管特例法に基づく「特別永住者」の場合も同様です。
したがって、いったん日本から出国した後に、日本に再上陸する場合には、あらためて入国査証の発給を受け、さらに上陸審査に際してその上陸条件適合性を証明しなければならないことになります。
しかし、外国人は予め「再入国許可」を受けておくことにより、出国前の在留資格を保持しながら一時帰国、業務出張などで本国又は第三国に出国し、再度日本に帰ることができます(入管法26条)。
再入国許可には、有効期間内に何度でも出国再入国ができる数次再入国許可と、そのとき1回だけの再入国許可とがあります。
再入国許可の有効期間は、5年を超えず、かつ現在の在留期間の範囲内です(同3項。特別永住者は入管特例法23条1項により6年)。
2みなし再入国許可制度
2009年改正法により導入された「みなし再入国許可」制度は、上記のような再入国制度の建前は維持しつつ、有効な旅券と在留カードを所持する外国人が再び日本に入国する意図を表明して出国した場合であって、出国後1年以内に再入国する場合には、再入国許可を得たものとみなすというものです(入管法26条の2)。
特別永住者については、再入国可能な出国後の期間が2年間とされています(入管特例法23条2項)。
実務上、再び日本に入国する意図の表明は、外国人入国記録・再入国出国記録(EDカード)にチェックをすることによって行われます。
2012年7月にこの改正法が施行されて以来、日本に滞在する外国人が予め再入国許可を取得しておくことを必要とする場合は、著しく減少しました。ただし、みなし再入国許可は国外で延長することができないため、みなし再入国許可の期限を超えてしまう可能性がある場合には、予め再入国許可を取得する必要があります。
3再入国許可の適用除外
在留資格取消手続中の方、出国確認の留保対象者、収容令書の発付を受けている方、難民認定申請中の「特定活動」の在留資格の方などについては、みなし再入国許可の適用除外となっています(入管規則29条の4)。
また、一定の前科があるなど上陸拒否事由に該当する場合には、上陸拒否の特例の適用を受けるために、予め再入国許可を取得する必要のある場合もあります。