在留管理制度

外国人の短期滞在ビザがどんな場合に延長、変更できるかについてご説明します。

法律相談

私は日本にいる親族を訪問するために、「短期滞在」90日の在留資格で来日しましたが、あいにく病気になって入院することになりました。このままでは、在留期間を超えてしまうのですが、在留期間更新許可申請は認められるでしょうか。

 

病気療養の必要性が高い場合には、人道上の必要性から在留期間の更新が認められる可能性があります。

1短期滞在の在留資格は更新できるか

観光、親族訪問、短期商用などのために入国する場合には、「短期滞在」の在留資格が付与されます。これらの活動にそれほどの長期間を要するということは考えがたいため、「短期滞在に更新なし」ということがいわれています。

しかし、何らかの事情で滞在が伸びてしまうといったことはあり得ることで、そのような場合には、当初の在留期間を超えて滞在する現実的な必要性を証明することにより、在留期間更新許可を得ることができます。

ただし、そのような場合であっても、出入国在留管理局の内部基準で、「人道上の真にやむを得ない事情又はこれに相当する特別な事情」がある場合を除いては、入国日から通算して180日を超えて在留期間が更新されることはないものとされています。

2短期滞在者に期間更新や資格変更が認められる場合

短期滞在の期間更新

本事例の場合、病気療養の必要性が高いと認められれば、90日間の在留期間更新許可を得ることができます。それ以上の更新については原則として認められないのですが、日本での在留を継続しなければ治療ができない具体的な事情があることなどを立証できれば、「人道上の真にやむを得ない事情」があるものとして、必要性が認められる可能性があると考えられます。

短期滞在からの在留資格変更ができる場合

なお、入管法上、短期滞在者の在留資格を持って在留する者の他の在留資格への変更は、やむを得ない特別の事情に基づく場合でなければ、許可されないことになっています(入管法20条3項)。

また、その他の例外としては、「日本人の配偶者等」といった身分に基づく在留資格、あるいは「技術・人文知識・国際業務」のような就労可能な在留資格について在留資格認定証明交付申請をして、証明書が交付される前に来日して、日本で待機している場合があります。

この場合は、在留資格認定証明書が交付された後に、その証明書を添えて、当該在留資格への変更許可申請をすると許可されることになっています。

また、中国人で永住者の在留資格を持つ者が本国にいる高齢の親を日本に引き取って面倒をみたいという事例で、いったん親を短期滞在で日本に呼び、その後、定住者への資格変更の手続をしたところ認められたという例があります。