これは、タイにおいて、タイ方式でまず婚姻手続きをし、その後日本に届けるという方法です。必ず、日本人がタイに行かなくてはなりません。

現在、日本人がタイに在住しているのであれば、この方法がよいでしょう。しかし、日本にいる日本人がタイに行って、この手続きをすることになると、申請から証明書発給まで、長い場合にはタイに10日間以上も滞在する覚悟がいります。

また、日本方式と違い、収入や職業についての証明を提出しなければなりません。

手続きの流れ

①日本人が書類を日本で準備し、タイに行く。

②在タイ日本大使館で、婚姻要件具備証明書と結婚資格宣言書の発行を受ける。

③上記②の書類についてタイ語に翻訳し、タイ外務省の認証を受ける。

④タイ郡役場で婚姻手続きし、婚姻登録証の発行を受ける。

⑤タイの婚姻登録証を添付し、在タイ日本大使館又は日本の本籍地の市区町村役場に報告的届出をする。

上記の手続を順に詳しく説明します。

日本人がタイに持っていく必要書類

日本人がタイに持っていく必要書類は次のとおりです。

①戸籍謄本(発行後3カ月以内のもの)
離婚の事実があり、現在の戸籍からその登録事項が抹消されているときには、離婚についての記載のある除籍謄本も必要になります。

②住民票(発行後3カ月以内のもの)

③在職証明書(公証人役場、法務局認証済みのもの)
現在、仕事のない方は在職証明書は不要です。

④所得証明書(市区町村役場発行のもの)又は源泉徴収票(公証人役場、法務局認証済みのもの)

前年無収入の方は所得証明書は不要です。

⑤パスポート

⑥証明発給申請書

⑦「結婚資格宣言書」作成のための質問書

タイ人の必要書類

①住居登録証(バイ・タビエン・バーン)

②国民身分証明書のオリジナルと表裏のコピー

③パスポート(ある場合のみ必要)

在タイ日本大使館で、婚姻要件具備証明書と結婚資格宣言書の発行を受ける

以上のすべてのものを、在タイ日本大使館領事部に提出し(書類によっては提示のみ)、結婚資格があることの宣言を担当官の前でおこない、その担当官の面前で日本人本人が結婚資格宣言書にサインをします。

宣言書は、日本人婚姻・離婚歴があるときなど内容が異なってきます。

身元保証人が2名必要になりますので、あらかじめ、どなたにするか決めておいた方がよいでしょう。日本国内居住者の成人であれば、国籍は問いませんので、ご両親その他知人友人で結構です。

大使館担当官の前で宣言署名した後、この宣言書は大使館が認証署名証明書にして、本人に返却されます。

タイ国の外務省で認証を受ける

次に、日本大使館で発行あるいは認証された婚姻要件具備証明書と資格宣言書をタイ語に翻訳して、タイ国の外務省で認証を受けなければなりません。

タイ郡役場で婚姻手続きし、婚姻登録証の発行を受ける

タイ国の外務省で認証を受けた後、夫婦となるおふたりで郡役場に持参出頭し、タイ人側必要書類とともに、婚姻手続きをおこないます。

タイの民法は、「男女が夫婦となることに同意し、登記官の面前でその同意を明白に表明し、登記官が同意を記録することにより、婚姻ができる。」と定めていますので、日本人も出頭することが必須です。

役場はタイ人が登録されているところだけでなく、どこでも手続きができるとされていますが、提出すべき書類とともに、事前に確認することをおすすめします。

婚姻手続きをした役場が婚姻証明書を発行します。タイ人の住居登録のある役場以外で婚姻手続きをした場合には、手続き完了後、90日以内に本籍地のある郡役場に届けることとされています。登録をした郡役場で家族身分登録証(婚姻登録証)が発行されます。

これでタイ方式による婚姻手続きが完了します。

日本の役場に報告的届出

最後に、上記の婚姻証明書を持って、日本の役場に報告的届出をすることになりますが、その際には以下の書類が必要です。

①上記の婚姻証明書

②住居登録証

③婚姻届
すでに成立した婚姻の報告届ですので、婚姻届の2人に証人は不要です。
タイ語文書は、すべて原本に加え、英語翻訳、タイ外務省認証、日本語訳文の添付が必要です。

これらを本籍地の市区町村役場に届けるか、在タイの日本大使館へ届けることになります。

大使館に届ける場合には、日本人の戸籍謄本を2通添付しなければなりません。大使館に届けられた婚姻届は、最終的には日本の本籍地に送られ、そこで婚姻事実の記載がなされることになりますので、本籍地に直接届けた場合に比べて1カ月以上遅くなります。

日本での住所地などの本等地でない市区町村役場に提出することも可能です。この場合、日本人側の戸籍謄本を添付する必要があり、役所によってはその他の書類の添付を要求されることもあります。

タイの配偶者を日本に呼び寄せる

無事に両国での婚姻登録が終了しましたら、次はタイの配偶者を日本で同居するために、呼び寄せの手続きをすることになります。

在留資格認定証明書交付申請に必要な書類以外に、タイ人側の資料としては、家族身分登録証あるいは結婚証明書だけで十分と考えますが、地方出入国在留管理局によっては、住居登録証他の資料を要求されることもあります。

また、タイ人に日本在住歴があったり、改名・改姓をしたりしていた場合には、添付書類は多くなります。