入管法上、在留資格は29種類あり、入管法別表に活動類型ごとに分類されて列挙されています。
なお、入管法上の在留資格とは別に、入管特例法に基づき、日本に在留するいわゆる在日韓国・朝鮮人及び台湾人には、「特別永住者」として、他の入管法上の在留資格に比べて、より安定した法的地位が付与されています。
在留資格は、大きく分けると「一定の活動に基づく在留資格」(入管法別表第1)と、「一定の地位(身分)に基づく在留資格」(入管法別表第2)があります。
このうち、入管法別表第1の表は、活動の類型に応じて、さらに5つの表に分かれています。
また、各在留資格の在留期間は、入管規則別表第2に定められています。
(1)入管法別表第1について
入管法別表第1の1と第1の2は、日本で就労活動ができる資格です。
このうち、第1の2は、基準省令が定める上陸審査基準の適用を受けます。
入管法別表第1の3と第1の4は、原則として就労活動が認められていません。このうち第1の4は、基準省令の適用を受けます。
また、入管法別表第1の5は、「特定活動」といい、個々の外国人に特定の活動内容が指定される在留資格です。活動内容が個々に指定されるため、いわば開かれた在留資格ですが、指定される活動内容と許可の要件については、一部、法務省告示によって類型化・明確化されています。
特定技能1号、特定技能2号
なお、国内で不足する人材の確保を図る必要のある分野において就労する、相当程度の知識又は経験を要する技能を要する業務に従事する外国人を対象とする「特定技能1号」、同分野において熟練した技能を要する業務に従事する外国人を対象とする「特定技能2号」があります。
(2)入管法別表第2について
入管法別表第2は、身分又は地位に基づく在留資格であり、「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」の4つがあります。これらの在留資格は、就労が可能で、基準省令の適用を受けません。
(3)在留資格該当性の判断と立証
上陸(入国)にあたり、外国人が日本で行おうとする活動が特定の在留資格に該当することは、外国人自身が資料により明らかにしなければなりません。
その際に必要となる提出資料については、入管規則別表第3に列挙されていますので、これらの資料をそろえて、出入国在留管理局に提出することになります。
このように、在留資格には様々なものがありますので、外国人が日本で行おうとする活動がどの在留資格にあたるのか、どのような資料をそろえて提出すべきか、判断が難しい場合があります。
申請に手間取ってしまったり、予定する活動にそぐわない申請をしたりすると、在留資格変更申請などの際、法で定められた期間を経過して非正規滞在となり、退去強制手続が開始されるなど、大きな不利益を受けてしまうこともあるため、十分な検討と余裕のある申請スケジュールを確保することが大切です。
外国人の在留資格一覧
在留資格 | 就労可否 |
入管法別表第1の1 | |
外交 | 業務限定の就労 |
公用 | 業務限定の就労 |
教授 | 業務限定の就労 |
芸術 | 業務限定の就労 |
宗教 | 業務限定の就労 |
報道 | 業務限定の就労 |
別表第1の2 | |
高度専門職 | 業務限定の就労 |
経営・管理 | 業務限定の就労 |
医療 | 業務限定の就労 |
研究 | 業務限定の就労 |
教育 | 業務限定の就労 |
技術・人文知識・国際業務 | 業務限定の就労 |
企業内転勤 | 業務限定の就労 |
介護 | 業務限定の就労 |
興行 | 業務限定の就労 |
技能 | 業務限定の就労 |
特定技能 | 業務限定の就労 |
技能実習 | 業務限定の就労 |
別表第1の3 | |
文化活動 | 就労不可 |
短期滞在 | 就労不可 |
別表第1の4 | |
留学 | 就労不可 |
研修 | 就労不可 |
家族滞在 | 就労不可 |
別表第1の5 | |
特定活動 | 一部就労可能 |
別表第2 | |
永住者 | 無制限就労 |
日本人の配偶者等 | 無制限就労 |
永住者の配偶者等 | 無制限就労 |
定住者 | 無制限就労 |
入管特例法上の在留資格 | 就労可否 |
特別永住者 | 無制限就労 |