雇っていた外国人労働者を、もともと配置していた部署と異なる配置転換を行う場合、入管法上の制限を受けるのでしよっか?

 

在留資格の許可は、個別具体的な判断を受ける必要があります。

たとえば、在留資格のうち、「技術・人文知識・国際業務」の許可を得て、日本の企業で働く場合、その外国人が実際に就労する業務に照らし合わせて、業務に必要な知識・技術を持っているか否かという観点から、在留資格の許可の有無が判断されます。

原則として、在留資格の判断において認められた範囲の業務以外の業務に就く場合には、資格外活動にあたる可能性があります。

そのため、外国人労働者について配置換えを行う場合には、使用者は在留資格に配慮して行う必要があります。

たとえば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を得ていた外国人労働者について、元々機械工学に関する技術者として雇っていたところ、国際マーケティング部門に配置換えを行うという事例で考えてみます。

この場合は、資格外活動の許可や、在留資格の変更許可を得る必要はないものと考えられます。

なぜならば、配置換え後の国際マーケティング部門は、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格において、日本で行うことができる活動のうち、「外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務」に該当すると考えられるため、同一の在留資格の範囲に含まれる業務といえるためです。

ただし、在留資格の許可にあたっては、個別具体的な判断に基づいているため、あくまでも当初の在留資格の許可は、機械工学に関する技術者として、在留資格が認められたにすぎません。

そのため、在留期間の更新の際に、マーケティングに関する技量が不足していると判断された場合には、在留期間の更新が拒否される可能性があります。